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笹幸恵
2016.10.6 16:34

『君の名は。』ようやく観ました

私のアニメ経験は『となりのトトロ』で止まっています。

だから昨今のアニメそのもののことは、よくわかりません。

でも昨日、チャリンコをかっ飛ばして『君の名は。』を

観に行ってきました。

高森先生はまだご覧になっていないようなので

ネタバレしないように、読後感ならぬ観後感のみを。

 

胸がキュンと締め付けられるような切なさを覚えました。

それは高校生の淡い恋心をなぞったからというより、

人とのつながりをもう一度、確認したくなったから

なのだと思います。

単なるセンチメンタルと言えば、その通りかもしれません。

でも果たしてそれだけだろうか、とも思います。

 

君の名は。

「まだ出会ったことのない君」は、

なぜか「私の心の中」にある。

もしかしたら私が生まれる前から脈々と息づいてきた

「何か」かもしれない、とさえ思う。

それは美しい自然の景色なのか。

非合理的な風習なのか。

うっとおしくて息が詰まるような共同体なのか。

それとも連綿と続いてきたこの国の歴史なのか。

あるいはそれらをひっくるめた、
「私」というアイデンティティそのものか。

 

失われつつあるもの(そして失われてしまったもの)への

寂寞と焦燥と恐怖とがないまぜになって、

どうしようもない切なさが沸き起こる。

 

私はその切なさに向かって問いかけます。

君の名は――。

 

すると、ますます切なくなってしまうのです。

 

多分、もう一回、観に行くだろうな。

アニメ作品を、もう一度観たい(それも映画館で)と

思うのは、初めてです。

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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